
・液タブを買おうか悩んでいる人
・板タブとの違い、メリットが知りたい人
・最近の商品を知りたい人

こんにちは、最近初めて食べたセブンの蒙古タンメンが想像以上に辛くてビビり倒した兎々梨です。
あれ胃が弱い人はもたれるかもしれん。
今回は表題の通り、液タブを使ってみた感想をまとめました。
実際に使っている機種やコスパの良い類似商品も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
液タブが欲しいと思った経緯


理由は至ってシンプルで、「板タブめちゃくちゃ描きにくかったから」です。
本来手元を見て描くものを、手元から目を離して画面を見て描くのは超難しいです。
クセofクセ。
線を引きたい所からズレるわ、塗りははみ出るわ……。
このやり直しがなかなか重労働で、絵を描きに板タブへ向かうのが億劫に感じる時もありました。
「板タブは慣れると寧ろ速い」といった話を耳にしたこともあります。
実際、液タブを触ったことによって板タブならではのメリットも分かりました(後ほど紹介します)。
価格面でも手の出しやすさが全然違いますからね……
しかし私にとって最重要なことは、絵を描く上で「ストレスが少ないこと」でした。
これはもう物は試しで買ってみなきゃわかんねぇ!と思い、ちまちま貯金して買った次第であります。
液タブのメリット


それでは、実際に使ってみて「これ良いな!」と思ったポイントを紹介します。
板タブより描きやすい
ファーストインパクトは本当にこれが大きかった……。
個人的に抱えてたお絵描きの悩みが解消されました。
かなりストレスフリーです。
手元を見て描けるのが、アナログで描く時と同じで安心感もあります。
描いてる!!!って感じがしますね(個人差あり)。
PCに繋いで使うので、PC画面は確認用のモニターとして使えて便利です。
実質画面が2つになる感じ?
これがアナログだと、絵を直立に立てて距離を置いて確認する必要があります。
液タブなら描きながら確認できるのがさりげなく利点でした。
後述しますが、そんな液タブでもちょい苦労した点があって、PC画面の存在はその対策にも役立ってくれてます。
細部の書き込みがしやすい
板タブだと、ペン先が今どの辺にいるか画面上の丸い円とかでしか分かりませんよね。
液タブならより物理的な位置で分かるのが良かったです。
このおかげで、細かいカケアミなども比較的均等に描きやすくなりました。
特に、線画の描きやすさが段違いでした!
板タブだと拡大縮小によっては板タブの広さ=PC画面の広さにはならないので、どこからどこまで線を引けばいいか、当てずっぽうでどうにかしてた節があります。
そしてズレて何度も引き直したり消したり…。
「線を引くのはここからここまで」が、視覚と物理的(ペン先の位置、腕の位置etc)に分かるのが楽です。
板タブより作業が速い
描きやすさについて2点触れましたが、これらが合わさるとどんなメリットが生まれるかというと、「描画速度が上がる」です。
これがめちゃくちゃ重要。
なぜなら、イラストを描くのは見た目以上にえげつねぇ時間が掛かるからです。
ゲーム並みに時間を溶かします。
板タブ時代はうまく線が引けないと、何度も何度も描き直す作業がコンスタントに発生しましたが、液タブに変えてからは体感4〜5割減った気がします。
線を描く時の労力が減りました。
板タブに慣れていた人からすると描画速度はそんなに変わらないかもしれませんが、書き直し作業に嫌気がさしている人は液タブかなりおすすめです。
液タブのデメリット


さすがにアナログよりは少しクセあるかも
アナログのように描ける!といっても、実際に描くのは紙にではなく画面にです。
そのため、多少の視差はどうしても発生します。
それでも、私が使っている液タブは視差をさほど感じず、慣れれば全然問題ない程度に抑えてくれています(後ほど商品紹介します)。
私は苦手な板タブと比較して感動しましたが、残念ながら液タブを買ったからといって神の力が手に入るわけではなく、絵を描くにしても作業内容自体は板タブとほぼ変わりません。
ほどほど以上最高未満で期待しておくと、期待値がズレないかもしれません。
場所を取る+コード多い
地味に驚いた点です。
特にコード。
本体がまあまあデカいらしいことは他の方の写真やサイズ表記で察してはいましたが、コードについてはノーマークでした。
存外に太い長い多い!
しかもアース接続付きのしっかりしたやつ。
力強くて大変よろしい。
ちなみに我が家のコンセント指込口にアース接続は無い。
そろそろ念の為買いたい。
設置を工夫すれば気にならないかもしれませんが、私の作業スペースにはコードを逃がせるスペースがなく、机の一部を占領しています。
あとコードにも太い部分と細い部分があって、細い部分が配置的に折れ曲がったりすると断線がちょっと怖いです。
メーカー的にもそんなヤワな作りにはしていないかと思いますが、万が一コードが壊れた時用にどこで買い替えられるか調べておくと安心かもしれません。
液タブは液タブで慣れがちょい必要
液タブを買って初めてがっつり絵を描いた時、



なんか絵のバランスが悪いな…?
と、PC画面を見て気付きました。
どうも人間の頭が意図せずデカくなっている。
そう、液タブには角度がついています。
画面が傾いている。
つまり液タブの画面ばかり凝視して描いていたせいで、実際のキャンパスの角度(垂直)が分からなくなってたんです。
幸いラフの時点で気づけて軌道修正しましたが。
今まで板タブを使っていた人こそ、この角度にしばらくギャップを感じるかもしれません。
そして板タブのメリットもここら辺にあります。
常に正しい角度での完成像を確認しながら描けるし、あとは手で絵が隠れません。
手元を見て描きたいと言いつつも、その代わり手を置いている部分はどうしても隠れる。
たまに邪魔です。
とはいえ、液タブを繋いでるPCの画面をちょくちょく見ればバランスは確認できるので、大きなデメリットではないかなと思います。
液タブを立てずに平面のまま使うことも可能ですし、逆にもっと角度が欲しい場合は別途スタンドを買うのもオススメです。
液タブがおすすめな人


メリデメを踏まえた上で、液タブがおすすめな人と、現状は板タブでも良いかもしれない人について書きます。
・板タブよりもアナログ感覚で描きたい人
画面を見ながら描くことに違和感がある場合はぜひ一度使ってみてほしい。
作業場へ向かう腰の重さが軽減されます(個人差あり)。
・配置スペースがある人
PC+液タブを置けるスペースが必要です。
コードもまあまあボリュームがあるので、机に乗せるか、どこかへ逃すかの配置をすることになります。
PCと液タブは横並びor縦並びどちらでもいけますが、机に奥行きがない場合は横並びになるかもしれません(奥行目安60cm以上)。
デスクトップPCならモニター次第でいけるかも?
・作業スピードを上げたい人
線の描き直しやら何やら、地味に時間を食う作業に辟易してる人にもおすすめです。
「時は金なり」とはよく言ったものです。
お金の上限は増やせても時間は増やせないので、時短できる部分はどんどん時短していきましょう。
・漫画も描きたいor描いてる人
これも結構相性良さげです。
特にアナログで描いてた人は、実際の原稿サイズと似た感覚で描きやすいと思います。
漫画も線が大事になってくる作品なので、お悩みの方は検討の価値大いにありです!
液タブ買わなくても良さそうな人


逆に、わざわざ液タブを買わなくてもよさそうな人について書きます。
・板タブやアナログで特に問題ない人
個人的には板タブに苦手意識を持っていたため液タブに感動しましたが、逆に現状さほど不満がなく、
「興味はあるけどどうしようかなー?」
「プロの人も使ってるの見るし…」
という人は、そこまでは費用対効果を感じないかもしれません。
板タブやアナログでバリバリ描いてるプロも沢山いらっしゃるので、今使っているツールが自分にとってストレスの少ないものであれば、それはそれで適解だと思います。
・置き場所がない人
分かってはいたが地味に場所を取る。
この存在感、もとい圧迫感。
私の買った液タブが15インチだからかもしれない。
私が使っている液タブの左側は「触手か?」ってくらいコードでまみれています。その分頑丈ではあるのかも。
いやちゃんと整頓すればきっとマシになるんですが机と壁の間にコード通すの面倒で…
PCがもう一個増えるようなものなので、液タブの利便性<絶望的に置き場所ねぇが???が勝る人は一旦保留でよいかなと思います。
スペースを確保出来そうでしたらレッツ計測。
ざっくりで大丈夫です。
自分が欲しいサイズを買うか、置き場所に合わせるか、予め決めておくと選ぶのが楽です。
初めて買う人におすすめな液タブ
それでは、個人的おすすめな液タブを紹介します。
こだわろうと思えばガチプロ向けの高価なモデルもあったりするのですが、今回は初めて買う人でも手を出しやすそうな、価格と性能のバランスが良さげな商品に絞っています。
どれもWindows,mac両対応です。
・wacom Cintiq16
私が使っている商品です。
pro(角度調整可能)もあるけど、必要なら後からスタンド購入で対応できるので、この機種で全然満足しています。
デカいし重いがその分しっかりしててのびのび描ける!
個人的には満足です。
最近は液タブの種類も増えてきて、これよりコスパの良い商品も出てきてますが、「使ってみて問題なかったよ!」という観点からおすすめに上げました。
購入から一年半経ったかな。
あとは、元々使っていた板タブ用のペンもこの液タブ付属ペンと全く一緒だったのも理由の一つです。
捨てずに使えるし、ペンの互換性とか考えなくて良いから楽だな〜と思いました。
他社製品によってはペン自体も充電する必要があるみたいですが、wacomペンは不要です。
地味にありがたい。
画面の色味はPC画面と少々差が出ますが、結局確認のためにPC画面は頻繁に見るのであまり気にしていません。
なんなら液タブを買ったのに板タブみたいな使い方をすることもあります。
線画は液タブ画面見て、影塗りは最初にざっくりPC画面見て。
といった感じで、描きやすい方法を使い分けてます。
・XPPen Artist Pro 16(Gen2) 15.4インチ
購入時はノーマークだった、海外製の液タブです。2021年モデル。
充電不要なタイプのペンが付属。
必要な機能は保ちながらサイズ展開されててとても良きでは?と思ったブランドです。
とにかくコスパが良い。
私は楽天ユーザーなので楽天市場をよく見るんですが、ポイントアップキャンペーンの対象になってたりもしました。
約5.5万円っちゃあ、ポイントUP率によっては数千ポイントが還元されるぜ…?
うまくいけば実質5万くらいで買えちゃいます。
5,000円が浮く。でかい。
※今(2025.8.22)確認したらwacomの液タブもポイント還元がえらいことになってました。
私は当時液タブを77,000円で買いましたが(これでもアウトレット品で安め)、この液タブなら5.5万ちょいでwacomより断然安いです。
レビューを比較した感じ、wacomはペン置き含め細部のクオリティが高いですが、値段も高いですからね……。
コスパに関してはXPPenの圧倒的勝利ではないでしょうか。
XPPenの参入と技術の進化によって、液タブが新しい適正価格になりつつあるのかもしれない。
ちなみに2025年に過去商品のリメイクも出たようで、最新の筆圧感知技術を重視する方はこちらも覗いてみてください。
・XPPen Artist 13 セカンド
先ほどの15.4インチより小さくて、少し安価です。2022年発売。
それでも絵を描くためのスペックは十分。
しかもこのサイズに関しては15.4インチと違って、なんかカラーが選べるらしいぞ…?
液タブって黒いもんじゃないんですか!!!?!おしゃれだ!!!
ちなみにwacomにも初心者向けエントリーモデルの「wacom ONE」がありますが、そちらにはボタンが付いていません。
片手デバイスなどを持ってない人は、XPPenの方が便利かもしれませんね。
しかもこのサイズなら、ちょい大きめのiPad感覚で移動させられるし、液タブのサイズに拘りがない人は最高コスパではないでしょうか。
のびのび書きたい人は15.4インチ、価格とコンパクトさを重視したい人は13インチがおすすめです。
余談:iPadは液タブの代わりになる?


私は試したことがありませんが、実際に液タブ代わりに使っている人たちの感想を調べてみると、正直使いにくそうではありました。
液タブは描きたい位置(目で見た位置)と実際に描画される位置のズレが少ないように工夫されています。
ペンの傾き検知機能などもあったり。
さらにPad版クリスタでは、pcと比べて使えない機能があったりするそうです。
このように、液タブと違って絵を描くことに特化はされていないのです。
見た目は似ていても、地味にその差を感じるのかもしれません。
逆を言えば、落書き程度には良いかもしれません。
何が利点かって、タブレットだけで完結するのが強い。
PCと液タブのセットをそのまま部屋の外へ自由に持ち出せるようなものです。
外で花見でもしながらデジタルイラストが描けちゃう。
中には「漫画のラフはタブレットで描いて、清書原稿は液タブ(板タブ)でやる」と使い分けている人もいるようです。
確かに、ラフは寧ろタブレットくらいの方が描きやすいかも。
この辺りの理由から、
一般タブレット系はあくまでサブ。
がっつり描くなら液タブ。
の認識が良いかと思います。
と思ってたら…???
今年(2025)の夏に、ワコムからOS搭載の創作特化ポータブルパッド「Movink Pad」が発売されるようです。
Movink Pad
この液タブ、どうやらAndroidOS搭載。
OS搭載…!?(2度見)
マジのお絵描き特化型タブレットです。
言い換えるならば、PCに繋がなくていい完全自立型液タブ。
触手みたいなコードもなければ場所も取らない!!!
スマホと同じgoogleアカウントでログインしてgoogleドライブに完成品を入れれば、デバイス間の移動もちゃんとできそうです。
液タブを使う為に、PCから買い揃える必要がある人には朗報ですね。
価格は約7万と決して安くはありませんが、ある程度快適に絵を描けるだけのPCスペックとなると10万以上は投資したい所です。
さらに+液タブ代。
そのPC代が浮くと考えるとなかなかです。



(ちなみに私の使用PCは20万オーバーのMacです。将来的にWindowsに買い替えようかな…)
ただし、この商品は本当に創作特化なため、絵を描くこと以外の機能面ではiPadに劣ります。
また、公式も「ラフやちょっとしたイラスト程度 」の使用用途を想定しているようなので、スペック面ではPC用液タブ> Movink Pad>普通のタブレットといった感じでしょうか。
イラストのテイストによってはそんなどデカい液タブが無くても良かったりするかもしれないので、他のユーザーがどんな絵を描いているかSNSで調べてみるといいかもしれません。
まとめ


私が初めて液タブなるものを知った時は安くても10〜20万くらい掛かると聞いていたもので、最近は10万未満でそこそこ十分な性能の液タブが買えてすげぇな…と思いました。
プロ向けにこだわれば、今でも30〜40万越のモデルはあります。
ただ、結局そのスペックを使いきれていなければ宝の持ち腐れになってしまうといいますか、必ずしも超高性能なものがマスト!という訳ではなさそうです。
液タブに限らず、自分の描きたいものに適正で、かつ使いやすいものを選ぶのが1番だと思いました。



なにはともあれ、液タブ買ってよかったです。
ぜひお試しあれ!
この記事がお役に立ちましたら幸いです。
ここまでお読みくださりありがとうございました!
●今日の一枚●

