こんにちは。ホリデーシーズンに入り、気持ちテンション高めの兎々梨です。
秋の味覚に続き、冬も美味しそうな期間限定が沢山あって最高ですね。ホイップ系やジンジャー系のラテが飲みたくなります。
今回は表題の通り、漫画の1P(ページ)の長さについての記事です。
近々漫画制作のskebリクエストを開始しようと考えているのですが、
漫画の依頼って難易度高くね???
と、引っ掛かりまして。
実際に描いたことがないとなかなか想像しにくいだろうし、依頼する時も「このストーリーだと何ページ分の料金なんだ…?」と悩んで頼みにくいのではないかと。
そこで、ちょびっと漫画制作進行の経験がある絵描きから、1Pの物語量と依頼時のコツについて解説します。
漫画作り、面白いですよ。
・漫画の依頼をしてみたい人
・でも依頼の仕方が分からない人
・もう何から始めていいか分からない人
・自分でもちょっと描いてみたい人
1ページの量はこれくらい
例として、2人の登場人物の会話シーンを元に解説します。
1Pに詰め込める物語の長さは、体感30秒前後です。長くても40~50秒くらい。
台詞を文字に起こすとこんな感じ。(青文字は動作)
ハリソン「俺を責めたところでどうせお前らには何も出来やしねぇ‼︎もう手遅れなんだよ‼︎」
ルドルフ「……。」(じっとハリソンを見る)
「手遅れ……か。それは君のことを言っているのかな。」
ハリソン「はァ⁉︎」
ルドルフ「失礼ながらハリソン、君はいわゆる…没落した領主だ。」
ルドルフ「運用が上手くいかない領地を親からそのまま引き継ぐことになって、辛うじて外見だけは取り繕うが、日々資金不足に悩まされる生活を送っている。」
ルドルフ「そうだね?」
ハリソン「失礼だなんて微塵も思ってねェくせに。」(鼻で笑う)
ルドルフ「はっはっは。まあね。」(紅茶を片手に答える)
ハリソン「俺ほんとこいつ嫌い」
意外と短く感じましたか?
これが1Pに盛り込める限界値かなと思います。
場面転換で一気に時計の針を進めたり、スピード感のある描写が入ると時間感覚は全く変わってきますが、それらが無いシンプルな会話シーンはこれぐらいの認識でいると良いでしょう。
つい内容を詰め込みたくなりがちですが、あまり詰め込むと漫画は読みにくくなってしまいます。特に、漫画は絵と文字の両方で物語を伝えるので、文字の比率が多くなると文字を読むことがメインの作業になってしまいます。
1Pだけの漫画を依頼するのであれば、見たいシーンのベストカットを決めておいて、その前後を補足として付け足すとやりやすいかもしれません。
漫画のコマの割り方
どちちらかというと描く側向けですが、依頼側も知っておくと想像がしやすいと思うので解説します。
あくまで兎々梨の自己流で、別にこれが正解というわけではないので予めご了承ください。
私の場合、下記のポイントを抑えながら描くようにしています。
・基準は3段
・縦横を混ぜて動きを出す
・ただし読者が順番に迷わないように(右上から左下)
漫画のコマは3段を基準に考えています。
このコマにメスを入れたりくっつけたりして、見せたい場面の形に合うようにこねこねしていきます。
また、1Pに入れるコマは6個前後が読みやすい数の上限かなと思います。お手元に漫画があれば、各ページのコマの数をぜひ数えてみてください。
試しにそれっぽく分割してみましょう。
ただの三段コマから漫画っぽくなりました。
これを描きたい内容に合わせて、さらに広げたりするとこんな感じ。
より漫画でよく見る形になってきました。
同じ形のコマばかりだと単調でつまらないので(4コマなどは別)、可能な範囲で横長・縦長を混ぜて動きを出します。
しかし何も考えずにこねこねすると「次どのコマに繋がってるんだ…?」と読者を迷わせるコマ配置になっちゃったりするので、動きと読みやすさのバランスを考えながらになります。
また、実際に描くときはコマの優先順位もなんとなく決めています。いわゆる見せ場や決め台詞は大きいコマにして、他の補足的な会話のコマは小さくします。先程の動きにも繋がりますね。
大きな見せ場がなかったとしても、1Pの中で1番重要そうなコマはなるべく探すようにしています。
漫画の依頼のコツ
それでは、漫画を依頼する時のコツを解説します。
一言で言うと、「必要な情報を伝えること」です。
漫画を描くために必要な情報は下記の通りです。
●舞台(場所/時間)
●キャラクター設定(身長/年齢/その他性格など)
●シナリオ(台詞/動作)
コツも何も当たり前のことだろって感じですね。
しかし依頼側の頭の中ではどれだけイメージが固まってても、描き手は何も知らない所から始まります。白い部屋のようにまっさらで情報が全くない状態です。
これを念頭に置いておくと、伝えるべき情報がおのずと浮かんでくるかと思います。
特にキャラクターについては表現の幅が広く、体格によって動きが変わるし、性格によって表情や振る舞いがかなり変わります。指先にまで反映されるといっても過言ではありません。多分。
余談ですが兎々梨は顔と手の表情にこだわるタイプです。
全てを事細かに伝えなきゃ!と身構える必要はありませんが、描き手の脳内で白い部屋からシーンの模型を作れるような情報は伝えておくとスムーズでしょう。
【兎々梨の場合】
不明な点は私の方から確認、もしくはskebなど一方通行のリクエストならアドリブで補うので、お気軽にご依頼・ご相談ください。
余談:自作ですら難しい
ちなみに描き手ですら自分の物語を描こうとすると、
「位置関係的にこの描写難しくない?」
「この背景に置く家具どうしようかな」
などなど、意外と詰まる所があったりします。文字だけじゃ想像が及ばない、名もなき情報が沢山出てくるんです。
描かない人が想像する以上に、漫画は情報量の塊なのでございます。最初に描こうと思った人、すごい。
まとめ:「あのシーンを漫画に」が叶うかも
こうして文章に書いてみると、漫画って結構高度な作業ですね……。意思決定が多すぎる。
長編を描こうと思ったら余裕で100P単位です。狂気ですよこんなの。
これだけ演出を考えて練って、さらに膨大な時間と物量をかけて出来るものですから、漫画が面白い理由も、多くの人に愛される理由も頷けます。
その漫画で、自分の見たいシーンを見れてしまうとしたら。最高ですね。
特に私はTRPGを遊ぶ民なので、あの時のワンシーンを漫画に出来たら…!!と思うこと多々(実際に描いたりしてます)。
そんなワクワクする体験をお届け出来ればと思い、漫画制作のコミッションを検討中です。
気軽にサクッと依頼したい場合はskeb、解釈違いを防ぎたい人は通常依頼をおすすめする予定です。
正式に受付開始したらこの記事を更新&SNSでも告知しますので、興味があればぜひご検討くださいませ。
クオリティや内容を確約するものではありませんが、skeb目安表も用意しますので参考にして頂けましたら幸いです。
それでは、ここまでお読みくださりありがとうございました!
皆様の創作がもっと楽しくなりますように。
●今日の一枚●