【イラスト付き】初心者向け・全身の描き方解説。これさえ知れば誰でも人間の立ち絵が描けます。

こんにちは、兎々梨です。
派遣社員の傍らイラストを描いています。

イラストを描く上でぶち当たる試練、その一つが「人間の全身描けない問題」です。私は勝手にそう思っています。

真っ白なキャンバスを前にすると、どこから何を描いていいか分からなくなっちゃいますよね。
どうにか頭から描き始めたものの、出来上がるとなんだかバランスに納得がいかない。でも何が悪いのかもよく分からない。

せっかく頑張って描いたのに、完成形が自分の想像とかけ離れていたらストレスで嫌になっちゃいますね。

実は、全身の描き方にはコツがあります。

なぜなら人体のバランスには決まりがあるからです。
これは老若男女関係なく、細身だろうと屈強だろうと一緒です。
この決まりさえ知れば、基本的な立ち姿は無双できるといっても過言ではありません。恐らく。

ということでこの記事では、全身の描き方をイラスト付きで解説します。
ちょっとした応用も紹介するので、ぜひ最後までご覧いただけましたら幸いです。

この記事がおすすめな人

・キャラクターイラストを描くのが苦手な人
・当たりをつけず、なんとなくで人物を描いている人
・自分の絵に違和感を感じている人
・理想通りの絵が描けるようになりたい人
・趣味の絵をもっと楽しみたい人

目次

サイズを決める

実際に、一枚の紙に1人描いてみます。今回は男性を描きます。
お手元に紙と鉛筆さえあれば同じことができるので、お時間があればぜひ一緒にやってみましょう。

真ん中に線を引く

キャンバスの真ん中に縦線を引きます。この長さが人物の身長です。
頭とかかとの位置を分かりやすくするため、上下に横線も引いておきます。
アルファベット大文字の「I」みたいな形になると思います。

縦線を分割する

中間くらいの所に横線を引きます。比率は大体1:1になっていればOK。
ここが骨盤と足の境目付近になります。

さらに上下で4分割する

上4つ、下4つ、合計8つの空間ができるように線を引きます。
以降、これら横線は〜本目と呼びます。
(例:一番上の横線=1本目、中間の線=5本目)

パーツを描く

1本目と2本目の間に、卵形の丸を描きます。これが頭です。

頭の中間に横線を引きます。これは大体目や耳がある位置です。
そして2本目と3本目の中間にも横線を引きます(2.5本目と呼ぶことにします)。これはおおよそ肩の高さで、縦線との交差点は鎖骨の中央です。

頭の横線の両端から、鎖骨に線を繋げます。

先ほど鎖骨と繋いだ線と頭の輪郭の交差点から、真っ直ぐに線を下ろします。首が現れました。
今回は男性ですが、女性を描くときは気持ち細めに描いたりします。


まずは2.5本目と4本目の間に、逆さまの台形を描きます。長い方の辺は、大体顔の幅×2+αで描いています。
胴体と首を繋げたいので、首の中間に楕円を描き、その輪郭に沿うようにして台形の両端に線を繋げます。

4本目と5本目の間に長方形を描きます。これが骨盤です。
空間を全て埋めるのではなく、図のように気持ちスペースを開けます。

胸と骨盤を緩やかに繋ぎます。これが脇腹というか、よく動く部分です。
先走って膝も描いてしまいました。膝は7本目の位置にあります。

足首から踵(かかと)を描きます。台形の上に丸(足首の骨)を置く感じです。

骨盤〜膝〜足首まで、線で繋ぎます。足っぽくなりました。

足首から先をもう少し詳しく描きます。
地面のライン(9本目)から下方に向かって、台形を描きます。足の甲をイメージすると分かりやすいかもしれません。

肩から脇腹のあたりまで線を下ろし、肘を丸で描きます。
実際に自分の肘を体に寄せてみると、おおよそ脇腹のあたりに来ることが分かると思います。

続いて肘から骨盤の下まで線を下ろし、手首と手を描きます。
これも実際に自分の腕を下ろしてみると、足の付け根〜太もも辺りに手が来ると思います。

うっかり忘れていたので目と口、耳も描いておきます。
これで骨格のアタリは完成です。

肉付けしてみる

なんちゃって棒人間をもう少し人間らしくするため、腕と足に肉付けしてみます。
お疲れ様です。最初の縦線1本からここまで持ってこれました。
これが人体のざっくりとしたバランスです。

このマネキンさえ用意できれば、あとは着せ替え放題です。
軽く消しゴムをかけたりして線を薄くし、その上から髪や服を描いてみましょう。100%マネキン通りになぞらなくてもOKです。

人間が描けました。
恐らく誰の目から見ても人間と認定されるはず。認定してくれ。

人間のパーツの比率とその測り方を知っていれば、立ち絵は格段に楽になります。
ここまでの道中で人間を描くためのヒントがいくつか出てきたので、要点をまとめておきます。

・胴体と足は大体1:1
・肘は脇腹の辺りにある
・首の線は耳の付け根から伸びている
・目と耳の付け根は同じ高さにある

ちなみに二次元は足を長めにする傾向があるので、慣れてきたら比率を変えてみるのもありです。

応用1:男女の描き分け

今回は男性を描きましたが、女性を描く場合はパーツの形を少し変えてあげると、描き分けがやりやすくなります。

左が女性、右が男性です。うっかり身長を変えちゃいましたが、注目すべきは骨格です。

女性を描くときのポイント
・首は細め
・肩幅は気持ち狭め
・骨盤は広め→くびれが分かりやすい

応用2:身長の描き分け

最初に引く縦線の長さを変えれば、色々な身長の人間が描けます。

他にも、胸と骨盤に角度をつけることで”ポーズっぽさ”を出すことができます。
胸と骨盤は脇腹で繋がっていて、重心によって傾くためです。左から二番めの男性が分かりやすいかと思います。

子供の場合は、頭の大きさは大人とそこまで変わらないので、8等分じゃなく6等分で空間分けをしてみました。

この辺りの応用は、機会があればまた別記事で解説しようと思います。

まとめ

誰でも真似できる人間の描き方、いかがだったでしょうか。
ちなみにこの描き方は私が学生時代に教わったものです(一部自己流に変更)。

今回は主に骨格、建築でいうところの基礎の部分に焦点を当てて解説しました。
アタリつけるのって結構面倒ですよね。人間1人描くためにここまで用意してやっとスタートラインかよと。

でもここまで描ければ基礎は頑丈です。
多少の雨風でグラつくことはありませんので、「なんか腕の長さ変だな…」「頭でかいな…」なんて現象も起きにくくなるのではないでしょうか。

ここから更に深掘りしていくと、髪の描き方や服の描き方、筋肉の構造などなど、キリがないほどの知識量が待ち構えています。
絵って奥が深いですね。そして難しい。見た目以上に求められるものが多い。

それらを少しずつ探求していくのも、絵の醍醐味なのかもしれません。

3Dモデルに頼るのも全然あり。だけど…?

最近は絵を描くための素材も充実していて、モデルを感覚的に調整するだけで理想のポーズが作れます。
私もお世話になっています。

一方で、3Dの線をそのままなぞるとどうしてもみんな同じ肉付きになりがちなので、「もうちょっとこう…変えたいんよ自由に…ッ!!」という人はぜひ今回の描き方もお試しいただければと思います。
3Dを使わない人間の描き方を知ることで、再び3Dを使った時には、その輪郭線が今までとは何だか違ったものに見えるかもしれません。
もちろん3D使用を否定する意図は一切ございませんので、自分に合う方法で絵を楽しんでくださいね。

それでは、ここまでご覧くださりありがとうございました!
絵の楽しさ、奥深さをお届けできてましたら幸いです。

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